巫山戯



*未公開句選*


朝顔の花しをれても絡む蔓


木下闇地蔵の首が落ちてをり


炎天に喪服の人の無表情


花木槿ゆふべの夢を惜しみをり


底紅や忘れられなき恋のいろ


熟れ柿のくづれたるこそ甘美かな


電燈を点けぬもよろし鏡花の忌


秋晴れや信号のない交差点




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