蒸留



日曜日の朝は
漂白されたねがい

むこうから歩いてきたひとの
そらいろのシャツが
そらからぬけだしてきたみたいだ

つめたい秋の風がここちよい
つめたいことが こんなにここちよいなんて

うすい毛布にくるまっていた夜
火酒のかおり
おもいでの温度

いっそ、
つめたくしてやればよかった
つめたくしてもらいたかった
さわやかな秋の距離感で

あかいスカートのひとが
わたしをおいこしてゆく

いくらさがしても
そらには
一人の影もない




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