蛇遣座の自覚
星占いは、信憑性があるかないかというよりも、直観に拠っているのではないかと思う。タロットカードを「読む」ことが、神話など人類の集合的無意識に通じる知識を基にしながらも直観的に読むように。
トランプとタロットカードでは、トランプのほうが歴史が古いという話をきいたことがある。絵ではなく抽象的な記号を用いているトランプのほうが洗練されている印象なので意外である。(ちなみにタロットカードのカップはトランプのハート、ソードはスペード、ワンドはクラブ、ペンタクルはダイヤに対応している。) 星占いもまた、誕生日占いのほうが古く、星座は誕生日占いに象徴的にあてはめられたらしい。
十二月前半生まれの私は十二星座占いでは射手座で、拡大や幸運を司る木星と、内面的な人格や女性原理を司る月の影響を強く受けているという。こうした星からの影響というのも、それぞれの天体に象徴をみる直観が働いているのだと思われる。なお、限られた星の影響しか受けないというわけではなく、人はそのつど星の影響を受けているらしい。たとえば闘争心が燃えるのは火星、美意識の高まりは金星、というように対応している。これも万物照応(コレスポンダンス)思想の顕れだと考えられる。すこし飛躍するようだが、象徴主義以降の詩を読むことと、タロットカードや星を読むことは、根を同じくしているように思えてならない。
ところで蛇遣座を加えた十三星座占いでは、私は射手座ではなくその蛇遣座にあたり、生と死や破壊と再生を司る冥王星の影響下にもある。
自分自身、射手座と蠍座の中間にあたる蛇遣座の性格のほうがしっくりきており、木星や月だけではなくこの冥王星からの影響にも心当たりがあり、妙に得心がいっている。
天体としての冥王星は、太陽系の外縁を周り、15等星という暗さで二十世紀になってからようやく発見され、同程度の大きさの衛星をもつため惑星の定義が曖昧になり準惑星に降格されたりなど、存在が謎めいている。
冥王星にしろ蛇遣座にしろ、目立たずにかくれたがっているかのような存在感にも、やけに共感をいだく。
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