電車の夢
夜、お布団にもぐって眠りにおちるまえの、夢とうつつのあわいに、おおきな駅の構内にいる自分を思いうかべる。終点であり、始点でもある駅。いま、自分は、夜行列車に乗りこもうとしている。行き先は、明日の朝、という駅。到着予定時刻は六時。もうすぐ発車のベルが鳴る──
そうした妄想をしているからというわけではないと思うけど、電車に乗る夢をたまにみる。夢占いでは、電車は人生の進行について象徴しているらしい。しかし自分は、夢のなかで乗る電車は、無意識の世界との交通を意味しているような気がしてならない。
また、知らない街を散策する夢をみることもたまにあり、現実においても初めて訪れる街にわくわくして気ままに散策したくなる自分は、知らない街の夢をみることが楽しみでもある。
もしかしたら、夢をとおして、現実とはべつの世界を訪れているんじゃないかと思う。もちろん、電車に乗って。
ところで自分の書く詩にも、電車や地下鉄がよく出てくる。電車にゆられて、ゆりかごにゆられるようにうつらうつらと、夢とうつつのあわいを往き来するのは心地よい。そのように、現実と無意識の世界を、詩によって往き来してみたい。
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